ポストゲノムの主役それは糖鎖
 糖 鎖(とうさ)
 ブドウ糖などのさまざまな糖が鎖状につながった物質で、人間の細胞内のたんばく質や脂質のほぼすべてについています。
糖の配列によって機能が異なり通常
は複雑に枝分かれしていて、人体には数百種類の糖鎖があると予想されています。たんばく質が体内で果たす役割に大きく関係していると見られていますが、そのメカニズムはまだよく分かっていません。
 糖鎖の構造は複雑で研究が難しくこれまでは国際的にも研究がほとんど進んでいませんでした。しかし、2000年6月に、日米欧などの国際共同チームが、人間の全遺伝情報(ヒトゲノム)の解読をほぼ終えて公表したことで、糖鎖の機能を解明するためのデータがそろい、研究を進める条件が整いました。

   読売新聞 2001年1月31日より

研究が遅れていた糖タンパク(グリコプロテイン)
@用語説明
A糖鎖と糖質栄養素との関係
B病気の予防
C現代の栄養素摂取量
D死因は生活習慣病
E予防のための栄養素
F生活習慣病の克服には・・・
G肥満解消
Hキレやすい子供たち
I研究が遅れていた糖タンパク
J糖の栄養補給
K8つの糖
L糖の生成
M糖の吸収
Nグリコプロテインとは?
O情報伝達と疾患
P細胞間情報伝達
Qこれから・・・

用語説明
(糖鎖)
たんばく質や脂質に結合し糖たんばく質・糖脂質を形成。細胞間情報伝達の多様性を担っています。

(糖質)
糖鎖を構成する糖。細胞の構成分子のひとつです。

(糖質栄養素)
たんばく質・脂質・ビタミン・ミネラル・水と同様に細胞を構成するために必須な栄養素です。
近年糖鎖の異常と病気の関連が数々報告されており、糖鎖機能の解明が重要になりました。ヒトゲノム解析がほぼ終了したことを受け、日本では「ポストゲノムプロジェクト」として糖鎖合成関連遺伝子の解析が行なわれています。
糖鎖(糖たんばく質)の機能も解明されるでしょう。人工的に糖鎖を合成できるようになれば、糖鎖異常に対する特定の医薬品の開発も行なわれるでしょう。糖鎖機能の解明は同時に糖質栄養素の必要性を裏付けることになるかもしれません。



糖鎖と糖質栄養素の関係について
 あなたは健康ですか? 健康とはあなたの身体のどこが健康なのですか?
健康の棚卸をしてみてください。健康な身体は正常な細胞によって築かれるのです。正常な働きをする細胞が身体を構成していれば自ずと健康になると言ってもいいでしょう。逆に異常な細胞では正常な機能が働かず病気になります。

細胞間の情報伝達は糖たんばく質が担っていることが解明され、糖鎖が情報の多様性を担う重要な部分であることが分かりました。たんばく質・脂肪・ビタミン・ミネラル・水と同様に、糖鎖の構成成分である糖質も細胞を構成するためには必須な栄養素なのです。「細胞が必要としている(糖質)栄養素を適当量摂取すれば、細胞は正常な構成分子を形成し正常な機能を果たすことが出来る。これによって人間が本来持っている自己治癒力が発揮され、健康を維持することが出来る。」これが糖質栄養素の基本概念です。


研究が遅れていた糖タンパク(グリコプロテイン)
 生命を形作っている分子は、大きく分けると4つに分類されます。

それは、
炭水化物、タンパク質、脂質(脂肪)、核酸ですそしてその全てに水が関与しています。 しかし長い間研究者たちはタンパク質に注目してきましたが、それは細胞間の情報伝達の正体がタンパク質だと考えていたからです。

しかしその後ある理論数理学者によってタンパク質の計算がなされ、結果身体を働かせるために必要な化学的信号の数の計算により今までの研究の成果では不十分であるとの結論に達しました。別の形が必要になったのでした。
その後、糖タンパク質の研究が始められました。1960年代のことです。
 糖タンパクとは、炭水化物とタンパク質が結合したものです。(細かく言うと炭水化物とは糖+食物繊維のことです)
グリコプロテインの「グリコ」とは日本語で甘いを意味し、つまり糖のことです。
糖タンパクは、真核生物の細胞の全ての表面を覆っています。
糖脂質(グリコリピッド)は炭水化物と脂質の結合されたものでこれは別の種類の糖化合物となります。
いろいろな糖の形態がありますが、タンパク質や脂質が糖に結合した化合物を「複合糖質」と言います。
生き物は細胞表面にある複合糖質の炭水化物部分を情報伝達や識別のために用いていることは知られていますが、炭水化物の構造は、単純なタンパク質に比べるととても複雑です。

 1960年代以降、複合糖質に関する研究は加速度的に進展しました。それは研究するのに大切な技術方法が開発されたからです。
これらの研究の成果により、1996年までに、人の細胞の表面にある糖化合物は、細胞が認識するプロセスの中で重要な役割を果たしているとの報告や、自然界の植物には、200種類の糖が存在していますが現在人の細胞の糖タンパクの構成物として明らかになっているのはそのうちわずか8種類の単糖のみであることが解明されています。



「グリコプロティン」
 
具体的に、グリコプロティンとはどのようなものなのでしょう。
細胞内で作られたたんばく質は糖質と結合しグリコプロティンとなります。 グリコプロティンは細胞膜に支えられて安定した形で頭を細胞の外へと出します。このような形でグリコプロティンは細胞の表面を産毛状に覆っています。
もう少し拡大してみると、たんばく質はアミノ酸が1列につながったひも状のものが複雑な立体構造を形成しています。そして単糖は、たんばく質の表面部分に付いた単糖に次々結合し枝葉のような形を形成します。
いわば母体となるたんばく質の種類に加えて、単糖の種類や付き方、その組み合わせによって無数のグリコプロティンが形成され、生体内の無数の情報を伝えるのです。



「8つの糖」
 自然界には約200個の糖質があることがわかっています。しかし、最近になってその中のたった8個の単糖がグリコプロティンを作っていることがわかりました。
その8種類は1.グルコース、2.ガラクトース、3.マンノース、4.フコース、5.キシロース、6.N−アセチルグルコサミン、7.N−アセチルガラクトサミン、8.N−アセチルノイラミン酸です。



「糖の生成」
 人間は炭水化物を消化してグリコプロティンの形成に必要な糖質を得ます。炭水化物は口、胃、小腸で消化酵素によって分解され単糖になります。たとえばとうもろこし、米、大豆、ジャガイモからはグルコースが、さとうきびやテンサイ糖からはフルクトースとグルコースが、牛乳からはガラクトースとグルコースが得られます。このようにグルコース、ガラクトースは日常の食生活で十分な量を得ることができます。しかし、グルコース、ガラクトース以外の6個の糖は食物から十分な量を得ることはできないためグルコース、ガラクトースやフルクトースを材料として生体内で作られます。
生成の過程は実に複雑で一つ一つの反応には酵素やエネルギーが必要です。


「糖の吸収」
 食物から得られるグルコースやガラクトースは小腸から吸収され、肝臓で作られた6つの糖は必要な臓器や細胞に送られていきます。
細胞の表面、細胞膜にはトランスポーターと呼ばれる穴があり、糖は細胞の外から中へ、中から外へ移動することができます。
トランスポーターは何でも通すわけではなくほとんどの場合1対1の選択性を持っています。
現在分かっているところではグルコースとガラクトースは同じトランスポーターを通るようですが、マンノースやキシロースはそれぞれ別々のトランスポーターを通ります。ですから、血液中のグルコース量に関係なくマンノースやキシロースは細胞内に取り込まれていきます。
血管から細胞や組織に移動した糖はグリコプロティンの構成成分となります。


「情報伝達と疾患」
 細胞間で正確な情報伝達がおこなわれなかったらどうなるのでしょうか?
おもに外敵から身を守るために重要な働きをする免疫反応においては、自己由来(自己)のものと外来の敵(非自己)を正確に見分けています。
しかし細胞問の情報伝達が正常におこなわれない場合、病気となることがあります。
たとえばリュウマチ性関節炎患者は、末端のガラクトースが欠損しているlgG抗体というグリコプロティンを遺伝的に産生します。これを体は異物と認識し、患者はリュウマチ因子という別の抗体を産生して間違った免疫反応を起こしてしまうのです。これを自己免疫疾患といい、リュウマチ性関節炎以外にも多くの病気がグリコプロティンの異常によって引き起こされていることがわかってきました。

たとえばがんでは20種以上のグリコプロティンの異常が発病に関与しています。


「糖の栄養補給」
最近まで、糖質生化学と栄養学は、ひとつの目的での共同研究はありませんでした。
しかしながら以下のような事実がでてきました。

    1)細胞間の情報伝達に糖タンパクが重要
    2)糖化合物の生成には、糖が重要
    3)炭水化物の重要な供給源は食事

 現代の栄養学の教科書は必須栄養素であるビタミン、ミネラル、タンパク質(アミノ酸;アミノ酸はタンパク質を作る材料)、脂質についての重要性は説いていますが、糖類に対してはエネルギー源としての認識程度で健やかな健康を維持するために重要な糖化合物の産生に不可欠な物質との認識はあまりないようです。

      現代の栄養学では8種類の糖のうち

    1)グルコースを主成分とするでんぷんの供給源として
         米、小麦、ジャガイモ、とうもろこし
    2)グルコースの供給源として
         サトウキビ、サトウ大根
    3)グルコースとガラクトースの供給源となる牛乳

      乳糖(ラクトース)不耐症の人は乳製品を食べないのでガラクトースが不足します。
      理由はガラクトースは乳製品に含まれるラクトースから作られるからです。

 グルコース、ガラクトース以外の6種類の糖は体内で合成されるか栄養補助食品から摂取されるかの   どちらかです。
ここに栄養補助食品が良いと言われる科学的根拠がありそうです。
しかしながら信用できるメーカーの厳しい品質管理が前提です。
どのような栄養補助食品(健康食品)も副作用がないかといえば疑わしい物も多いのが実情で、薬にも組み合わせてはいけないものがあるのと同じで,栄養補助食品も組み合わせの相性があります。
 摂りすぎにはくれぐれもご用心。


病気の予防
 紀元前の昔から人はさまざまな病気と闘ってきました。
医者も薬もない時代、祖先は身の回りにある植物に薬効のあることを経験と知恵で覚え、病気を克服してきました。さらには、再び病気にならないよう食生活に工夫を凝らしていました。

20世紀に入り科学の進歩とともに薬の開発が盛んになり、人は病気の予防より病気を薬で治すほうに目を向けるようになりました。
抗生物質・抗ウイルス剤・ワクチンが開発されたお陰で、何万人もの死者が出る感染症・伝染病から開放されました。血圧降下剤・血糖降下剤・抗がん剤などの開発により生活習慣病の患者も通常の生活を維持できるようになりました。
また免疫抑制剤の開発は臓器移植までをも可能にしました。多くの病気を克服した今、生存率は飛躍的に延びましたが、一方、生活習慣病と超高齢者社会という問題に直面しています。

21世紀の社会では、病気になってからではなく病気にならないようにする個人の努力が望まれているのではないでしょうか。


現代の栄養素摂取量
 生活習慣病は、現在先進国で大きな問題になっている病気です。
日本は戦後50年間で高度な経済成長を遂げ、生活様式は多様化しました。これにともなって食生活もお米を中心としたものから、乳製品、肉、卵といった動物性たんばく質を中心とした欧米型の食生活に変わってきました。
日本人の栄養素摂取の構成比は脂肪の比率が年々増加し、炭水化物(糖質+食物繊維)の摂取が少なくなっています。またビタミン・ミネラルの摂取量も減少する傾向にあります。
生活習慣病は、高カロリー・高脂肪な食生活、慢性的な運動不足、ストレスなどの外的要因が大きく影響しています。


死因は生活習慣病
 日本は世界に誇る長寿国となりましたが、一方有病率や受療率も年々増加しています。
平成8年患者調査値では、人口10万人に対して1日の入院および外来者総数7000人のところ、高血圧587人、糖尿病189人、心疾患199人、脳血管疾患310人、がんは287人となっており、単純に日本の人口を1億人で計算してもたった1日で実に150万人以上が生活習慣病で入院または治療を受けていました。
平成9年の国民栄養調査では、糖尿病が強く疑われる人は690万人、脳血管疾患は患者総数172万9千人で、この数字は年々増加する傾向にあります。
比例して、生活習慣病が原因で死亡する割合も年々増え、平成11年ではがんが29.6%、心疾患が15.4%、脳血管疾患が14.2%で、死因の60%以上にもおよんでいます。


予防のための栄養素
 1980年代アメリカでは栄養療法の研究に着手し、生体防御機能や病気の予防と回復に関与する栄養成分が次々と発見されました。
1990年には予防に有効な食品および食品成分約40種頸をピックアップし、重要度に合わせたピラミッド型のモデルを発表しました。(デザイナーズフーズ計画)
さらに1994年、栄養補助食品健康および教育法(DSHEA)が成立し、医薬品でも食品でもない栄養補助食品という新しい分野が作られました。
また栄養補助食品の定義が明らかにされ、伝統的に用いられてきた植物やハーブも栄養補助食品の中に組み入れられています。


生活習慣病の克服には・・・
20年程前から生活習慣病と呼ばれるがん・心疾患・脳血管疾患が死亡率の約60%を占めています。発病の原因の25〜35%が食生活と言われ欧米化した食生活を見直す時期に来ています。

平成11年度国民栄養調査の結果によれば、脂質の摂取量は摂取エネルギー比にして20〜25%が適量であるのに対し、50歳以下の年齢層では上限の25%を上回り過剰に摂取していることが分かりました。肥満がさまざまな病気の原因になっていることは明らかであるにもかかわらず、改善が必要と感じる意識は低い(3割程度)のが現状です。

一方、(財)健康・体力づくり事業財団が推進している「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」によれば、野菜の摂取量は一日350g以上を目安とされていますが、男女とも20〜49歳で300g以下となっており野菜不足が指摘されています。病気の予防には野菜・果物に含まれるビタミンや植物化学物質(ファイトケミカル)が抗酸化物質(スカベンジャー)として有効であることがわかっていますので、積極的に摂取する必要があります。


肥満解消
肥満は各種疾病のリスクファクターです。高血圧や脂肪肝、特に動脈硬化性心疾患や糖尿病は深刻な問題となっています。肥満解消が改善のカギを握っています。

健康には摂取する栄養と消費するエネルギーのバランスが大切です。身体は栄養を肝臓・筋肉・脂肪細胞に蓄え、必要に応じてエネルギーに変えて利用します。食後約3時間(吸収期)のエネルギー源は主にグルコースですが、空腹時は脂肪細胞に蓄えた中性脂肪を分解してエネルギーに替えます。

中性脂肪はグルコースと脂肪酸(グリセロール)が結合したものですから、これらの消費は血中から脂肪細胞へのグルコースの取り込みを促します。この取り込みにはインスリンが関与し、中性脂肪の分解にはグルカゴンやエピ
ネフリン(アドレナリン)が関与します。また、エネルギーを作り出す反応にはビタミンが必要です。

中性脂肪が多すぎるとインスリンに対して抵抗性を示すことも分かっています。肥満の解消には、インスリンやグルカゴンなどホルモンの正しい分泌、情報を正しく伝える糖たんばく質の形成、そしてエネルギー産生を助けるビタミンの供給が大切です。

キレやすい子供
食生活を取り巻く社会環境の変化は大人だけではなく子供にも影響しています。朝食欠食率の増加、加工食品や特定食品への過度の依存、食卓を中心とした家族の団らんの喪失などが身体的健康のみならず精神的な健康への影響も懸念され始めています。

平成9年度国民栄養調査の結果、朝食の欠食が栄養素摂取の偏りのリスクを高める要因であることが確認されました。20代では32.9%が朝食を欠食していますが、3人に1人は小学校から高校の時期から習慣となっています。夕食の摂取エネルギーが多い、夕食時間が不規則、夕食後に間食をするなど活動時間と栄養摂取のアンバランスが生じています。

7〜14歳では脂肪エネルギー比率が、目標値25〜30%のところ(17歳以下)平均31%となっており、若年層の肥満が心配されます。野菜嫌いな子供も多く、食生活を見直さなければ生活習慣病の予備軍となってしまいます。

最近、新聞などでキレル子供の話題をよく目にします。子供達を取り巻く社会環境の影響は無視できませんが、体の成長だけではなく、精神面の成長にも影響する偏食は真剣に考えなければならない問題です。子供の時から必要な栄養素をバランス良く摂る食生活を身に付けましょう。


細胞間情報伝達
 人間は多くの複雑な機能を無意識に行っています。生命を維持する、外敵の侵入から身を守る、環境の変化に適応する…数え切れないこれらの生命活動は細胞から細胞へと情報を受け渡しすることによっておこなわれています。
細胞間の情報伝達の仕組みは生化学の分野で分子レベルの解明がされてきました。
生物学の立場から重要な分子はたんばく質、核酸、脂肪、炭水化物の4つに分類されます。
このうち基本的な情報伝達物質をたんばく質と仮定すると、たんばく分子が取り得る構造の数だけでは複雑な情報を伝えるには不十分であることがわかり、その後の研究の結果、エネルギー供給が主な役割と考えられていた炭水化物(糖質+食物繊維)がたんばく質と結合した糖たんばく(グリコプロティン)がその情報伝達の本体であることが解明されました。


これからの可能性
 グリコプロティンの形成異常によって引き起こされる病気を最終生成物の糖を直接摂取することで改善できないものだろうか、という発想で多くの研究者が糖を直接摂取する実験を積極的におこなっています。
グリコプロティンの形成機能障害による肥満症、胃潰瘍などの炎症にマンノースが、がん転移の抑制や細菌感染の阻害などにフコース・ガラクトースが効果を示すという動物実験などの結果が数多く報告されています。
情報伝達物質グリコプロティンは、糖質科学の中では新しい分野です。これからさらに研究が進み、多くの事例が報告されることでしょう。
健康を維持するにはバランスのいい食事は不可欠です。現代は脂肪の摂取が増え、炭水化物の摂取は年々減る傾向にあります。

食生活を見直し、水と食事の重要性を細胞レベルで考えてみましょう。
正確な細胞間情報伝達が健康な体を作ります。

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