Gキノコ類の作用
私たち日本人はキノコ類を昔から好んで食べてきました。それはキノコには健康を増したり、ある種の病気を治す力のあることが昔から広く知られていたからで、これは経験的な知恵に加えて、中国の漢方の影響が大きかったと思われます。
中国では、古来よりさまざまなキノコを生薬として使用し、成果を上げてきました。それが日本に伝わり、漢方の分野で盛んに使われるようになったようです。キノコの薬効は、近年になって科学的な側面からも立証されています。現在では、各種のキノコから抽出された成分がガンの治療薬(クレスチン、レンチナン、ソニフィラン)になっているほか、「日本薬局方」にも数種のキノコが名を連ねています。 |
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| (図7) |
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キノコは微生物と呼ばれる“菌”の仲間で、唯一目で見る事が出来る“菌”です。
細かく分けると真菌という部類に入り、カビや酵母などが同じ部類に属しています。
この真菌はキノコに限らず、自らの細胞内に”β−グルカン”(図7)という多糖類を豊富に含み、これが免疫にプラスの働きを及ぼしてる事が研究で明らかになっております。 |
ですから、キノコで健康が増したり、ある種の病気が治ったという事例は、このβ-グルカンによる免疫活性がそもそもの起源となっているのです。
では具体的にβ-グルカンがどの様に作用しているのか、解説したいと思います。
(図8)は、マクロファージから受容体が出て、グルカンを受け入れている様子をイラストしています。
この様にマクロファージやリンパ球は、グルカンを自ら受け入れる事で、それを刺激ととらえ活性物質(分泌物=サイトカイン=信号)を作り出すのです。弱体化してしまった免疫細胞に対し、グルカンが刺激を与え強制的に分泌物を産生させる手法は、最も効率的で、最も身体に負担のない |
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| (図8) |
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| 免疫療法と言えます。キノコの種類によって、この刺激度はかなり異なり、現状ではマイタケの菌糸体(マイタケの元になる菌)が最も免疫活性能力に優れていると言われています。ちなみに、マイタケ菌糸体1gで、生のマイタケ約1,500gに相当する有効成分が検出されます。 |
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Hキノコ類の欠点
しかし、グルカンによる免疫活性にも欠点があります。グルカンは免疫細胞に刺激を与え、強制的に活性物質(信号)を分泌させますが、これは、弱って走らなくなった馬にムチを打ち、強制的に走らせている事に等しいのです。結果は既にお判りの事と思いますが、ムチを打たれた馬は、その刺激でしばらくは走ります。しかし、やがては疲れて走るのを止めてしまうのです。この様に、一度何らかの影響で活性化した免疫が、やがて効力が衰え低下してしまう状態を『免疫枯渇現象』(言わば耐性)と言います。
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(図9)
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| 末期のガンなどに苦しむ方が、キノコ系の健康食品(アガリクスや霊芝など)を摂取したところ、数ヵ月後、ガンの影が消えた!などと言う話がよくあります。 |
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しかし数年後、別の場所でガンが再発をしてしまったなどという話も意外と多いものです。キノコ系の健康食品(その他のグルカン含有食品)による免疫活性は、その効力は長くて1年間と思った方が良いでしょう。
この免疫枯渇現象の原因(図10)は様々あり、特定する事は非常に難しいのですが、代表的な要因として次の4項目を上げます。 |
1)不適切な免疫治療:キノコ系食品などの、強力で一方的かつ継続的な免疫細胞への刺激作用による、免疫細胞の刺激に対する慢性化など。またキノコ系食品はリンパ球を酸化させてしまう事も明らかになっています。
2)アミノ酸の減少:免疫細胞から分泌生産される活性物質(信号)の原料となる、“アミノ酸複合体”や“微量元素”の減少。つまり免疫細胞が空腹の状態。
3)酸化還元のバランス不良:酸化型に傾くと活性物質(信号)は分泌されなくなり、逆に極端な還元 |
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(図10)
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| 型になると、この肥大化した免疫細胞が原因で、血管を圧迫し高血圧を招いたり、若しくは詰まらせて梗塞を招いたりする事もあるのです。つまりどちらに傾いても悪い傾向になるので、バランスをとることが重要です。一般的には酸化型に傾いている人が多く、特にキノコ系食品を摂られている方はその傾向が強いです。 |
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| 4)ガンの進行:前にも述べましたように、大切な事は“増加と排除のバランス”ですから、ガンが進行するという事はバランスが崩れている事を意味します。適切な増加防止が出来ていないか、キノコなどの特定物質が免疫に作用していない(キノコ系の免疫反応不良)かのどちらかと言えます。 |
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I免疫活性と補給の働き
1)免疫枯渇現象の回避
前に述べた“免疫枯渇現象の原因”とその回避手段を対比してみましょう。
◇不適切な免疫治療:
多角的多糖類刺激という3方向からの“バランスの良い刺激”は、どれか一つが強力というものでもなく、継続的に取り入れても免疫細胞の慢性化を招きません。
◇アミノ酸の減少:
免疫細胞に必要なアミノ酸複合体や微量元素を含むものを供給すると、免疫細胞を空腹にする事がなく、活性物質を生産させながら、その原料を補い続けます。
◇酸化還元のバランス不良:
各種微生物(酵母菌など)の働きにより、免疫細胞の活動に最適な酸化還元バランスを調整します。※微妙な“還元状態”が、最も“抗腫瘍性サイトカイン”を産生させる土壌となります。リンパ球を微妙な“還元状態”に調整する事により、抗腫瘍性サイトカインの生産枯渇が生じないよう、長期における生産能維持の実現が期待されます。
◇ガンの進行:
増加の勢いを止める事が先決ですので、発生源たる皮膚の免疫機能を向上させましょう。 |
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2)免疫抑制物質の減少作用
| IAP(免疫抑制蛋白と言い、免疫を制御する蛋白質)に代表される抑制物質を減少させます。IAPは腫瘍マーカーとして有名ですが、これはガン患者の多くがIAPを多く保持している事で、自ら免疫を抑制してしまっている傾向があるからです。これだけを考えても、いかにガンが利口な細胞であるかが分かります。ガン細胞にとって一番の天敵は、何と言っても免疫細胞とその働き。その免疫機能を抑制させる蛋白質やその他の物質を放出し、天敵の能力を低下させる、つまりは自分たちの住み良い環境作りをしていくのです。良く耳にする悪性新生血管なども、一つの環境作りです。自らの細胞増殖のために新しい血管を引き寄せ、栄養素をそこから吸収していくのです。患者は自分に良かれと思って栄養価の高い食事をするのですが、返ってその豊富な栄養素がガンの成長を助けてしまっているのです。 |
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3)抗原表出作用(HLAクラス)
もう一つガンが利口と思われるのが、自らを免疫細胞に悟られないように隠れてしまうことです。 |
もともとが正常細胞だったガン細胞は、そのまま正常細胞になりすまし免疫細胞に発見されない工夫をしています。図11を見ますと、HLAクラスT。という抗原提示が行われる前と後では、ガン細胞に対する攻撃が違う事が分かります。発現前はNK細胞が地道に攻撃を繰り返すだけで、致命的なダメージを与える事は出来ていません。
ところが発現後はキラーT細胞がガン細胞に接近し、ここでやっと致命的な攻撃を開始する事を可能としているのです。しかし忘れてならないのが、HLAクラスTはキラーT細胞にガンの居場所を知らせるための抗原提示であり、あくまでキラーT細胞を動かすのはIFN−γなのです。
前述しました様にIFN-γが産生されるにはTH1が必要で、THOがTH1に進化するにはIL−12の存在は必要不可欠です。では、マクロファージが産生するIL−12を確実にTHOへ渡すにはどうしたらいいのでしょうか。
一番良いのは互いが接点を持つことです。そしてマクロファージとTHOが接点を持つためには、今度はHLAクラスU(図12)の出現が必要なのです。このHLAクラスUという抗原の出現によってマクロファージとTHOは互いに引き合い、接点を持った時点でマクロファージからガンの情報(IL−12)がTHOに伝えられるのです。
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(図11)
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(図12) |
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